全くもって、正反対のふたり。


意気揚々と歩いて行くおかあさんを見送って、空いている席におとうさんと座った。


「おかあさん、相変わらずやなぁ。もう45にはおもえへんわ…」

「…せやな。毎日あの勢いでグチられるから、おとうさんも敵わへんねん」


のしっとイスに座ってるおとうさんは、シルエットがほんまトトロみたい。


眠そうに、目がとろーんて半分ふさがってる。




数年前の手術の経過は今までずっと順調で。


簡単な検査して主治医の先生から話聞くだけやから、ほんまは一人で来てもええねんけど…


それでも、おとうさんもおかあさんも、毎回ついて来てくれる。


別に大丈夫やのにな。

おっきい病気やったから、心配してくれるんもしゃあないんかもしれへんけど。




「あ。おとうさん!スラムダンク何冊か持ってきてんで。ヒマやろし、読んどく?」

「…いや〜、ええわ。」

「めっちゃおもろいんやって!」

「マンガやろ?あんま読まへんし…」

「ええから!ハイ!!」


無理やり押し付けたら、おとうさんもしぶしぶ受け取って読み始めた。