それからすぐにアヤちんに電話してんな。


よかった〜受かった〜って。



アヤちんは、地元に帰らへん組や。


こっちの病院で就職が決まってる。


引越しせんととりあえず今のマンションに住んだままおって、お給料で引っ越し代がたまったらもうちょい安い家賃でいい家がないか捜す〜って、そん時の電話で言うてた。




何度もお世話になったアヤちんち。


ごろ寝したアヤちんちの床。



地元に帰ったら遊ぶ友達はおるけど…一緒におってこんな楽でこんな笑える友達てアヤちんぐらいやから、ちょっとさみしいな。



「ま、他県ってゆうても新幹線で来たら近いし。いつでもデート誘ってよ〜?アヤちん」



冗談っぽくくちびるつき出して言うたのに。



…ウチを見つめるアヤちんは、ものごっつ真剣な顔やった。




「ええの?」

「え?」

「…みともはほんまに、それでええの?」




ほんまに、それで、ええの。




…アヤちんがなんのことを言うとんのか、すぐにわかった。


きっと今、ウチのおでこには情けないかたちのまゆげがひっついてる。