アヤちんの手の中でくるくる回されるカメラ。


キラキラな光が、入れ替わり立ち替わり輝いては影になる。



報告って。


その次に発された言葉は…ぜんぜん、思ってもみぃひんことやった。




「…別れてん。神崎くんと」


「えっ」




…びっくりして息をのむ。


アヤちんは目をふせたまま、つぶやくように言って。



「だめやったわ〜…。あんなに好き好き〜ってゆうとったくせにな」

「アヤちん…」

「お互いに。ちょっとしたことで気持ちって離れてまうし…レンアイって、難しいなぁ」



…なーんて、ちょっとカッコつけたこと言ってみましたぁ。なんて。



アヤちんは軽く笑ってそう言うけど、顔は下を向いたまんま。


なんて言ったらええのかわからんくて、黙ってウチも下を向く。



慣れへんゲタの鼻緒からとびでる足袋。


今ではふたつにしか分かれてない、五本あったはずの指。



「…ふふ」

「……なによアヤちん」

「いやぁ、みとも、1年ときから変わってないなーって思って。人の話めっちゃ一生懸命聞いてくれるけど、一緒に自分も落ち込んでまうんよな〜。みともは」