やっと動きが止まったアヤちんの頭を見つめつつ、ちょっと感慨にふけってみたり。



…そんとき、ぎゅぎゅーって。



手のひらがしめつけられる。

なんや〜思たら、いきなりさっぺに思いっきり手ぇ握られてて。



びっくりして隣の顔見たら、さらにびっくり。



…さっぺが、めちゃめちゃ号泣してた。



「な…なんで泣いてん…」

「だって〜!! なんか泣いとかなもったいないと思って…っ」



…もったいない、て。

どんな理由やねんそれ。



「学生最後やし〜!イヤや〜卒業してまうん!!」



ぼろっぼろ号泣するさっぺの隣で、ウチは逆に大笑いしてしもうた。



おなか、袴のひもが苦しい。




…なあ、もうあと何年かして。




この今の風景とか、アヤちんの首ふりとか、さっぺの目尻が黒くにじんでもとることとか。



笑ったこととかも。思いだすんかなぁ。






頭のてっぺんから、アナウンスが流れる。








これをもちまして、平成22年度、卒業の式典を終了いたします─────