いっぱい笑ったあと、いっちゃんがあんなぁって話を切り出した。



「あんなぁ、みとも」

「なに?」

「…俺の将来の妄想全部聞く?あ、言うとくけど絶対引くで?」



…いや、引くって断言されても。いっちゃん。



なんも答えてないのに、いっちゃんは勝手に話し出す。


しゃーないなぁ、聞いたろ。

だってそんなん、ウチしか聞くひとおらんやろ?


そんなエラそうなこと思ってみて、何分か前とはえらい違いやなぁって、また照れくさくなる。




「…おれな、」

「うん」

「…プロポーズ、もう20通りくらい考えとるねんで。」

「……にじゅう!?」




ごほん、て咳払いして、いっちゃん。



ウチに真剣な表情向けて、ひとこと。




「みとも、俺たちもうこの関係終わりにしよう。」



「…………へ?」



「……って言うといてな、みとも、絶対"え…っ!?なんで!?別れるってこと!?"ってなるやん。そしたら、"付き合うっていう関係は終わりにして。おれと、結婚してください。"…って言うねん」

「………」

「ほら、いったんビックリさせといて、実は───みたいな?…ってうわっ、しもた!もうゆうてもたら本番使えへんやん!!」