「遠く行ってまうとか嫌に決まっとるやろ!?そりゃ、そばにおってほしいし……っけど、」
ほっぺたはさまれたまま、目の前でどなられて。
怒られてるのに、怖くなくて。
…怖いからやない。
うれしくて、止まってた涙がまた動き出す。
「すき、とかなぁ。そりゃ最初は…キッカケは、みともが好きになってくれたからかもしれんよ」
「………」
「けど大事なん…そこやないやんか。今、おれ…みとものことめちゃめちゃ好きやんか。」
「………っ、」
「あのとき、あの瞬間…あのタイミングで、みともに出会って。なんかいっこでも欠けてたら今こうしてへんかもしれんやんか。…今があるんて、めっちゃ…めっちゃすごいことやんか。……あ〜もう、なにゆうとるんかわからへんけどっ!!」
「いっちゃん……」
「今のおれはみともが好きやし!…せやから…みともが地元で就職するゆうんなら、おれはみとものこと応援したいって、思うから。やからって別れる気とかないで?」
─みとも以外の子と付き合おうなんて、思わん。