「…………………っ、」
くつですれたかかとが痛い。
力が抜けて、その場にしゃがみこんだ。
いっちゃん。いっちゃん。いっちゃん。
いっちゃん。
好きだよ。
あんな、めっちゃ好きだよ。
いっちゃんとなら、どんどん形を変えて、あったかいものを作ってけるなって思ったんよ。
いっちゃんとなら、ずっと笑ってられるなって思ったんよ。
…なぁ、いっちゃん。
ウチはいっちゃんよりずぅっと妄想族かもしれへんね。
だって頭ん中、いっちゃんとずっとふたりで笑ろてる映像ばっかり浮かべててんもん。
1年後、2年後、10年後、もっと、もっと。
ウチだけやったんかな。
ひとりだけ、そんなん思てたんかなぁ。
「…いっちゃん」
…さみしいなぁ。
アホやなぁ、ウチ。
ほんま、アホで、子供で、どうしようもない。
「〜いっちゃん…っ、」
…いっちゃんに出会って、好きになってからどれくらい?
3年と数カ月?
それって長い?短い?
いっちゃんとウチの時間って、あとどれくらい残ってる?
未来なんてわからへんもん。
約束できへんもん。
だって変わらへんもんなんて、ないやんか。