…受験勉強で塾から帰ってきて、あったかいココア入れて待っててくれた。



…運動会の日は、お弁当。作るんめんどくさいのに、エビフライとトンカツ入れてくれた。



…おかあさんがパートで働いたぶん全部、ウチの下宿費に回してくれた。



…いっつも笑顔で、「おかえり」って迎えてくれた。




晴れの日も雨の日も暑い日も寒い日も…



…どんなときも。










長く続く一本道。




もう、さっきの親子はどこにも見えへん。



でもそれだけやなくて…目に映るすべてのものがぼやけて、うまく見えへんことに気ぃついた。





みとも、みとも、みとも。




おかあさん。





…おかあさん。おかあさん。





ウチが言う"おかあさん"には、いつでも愛情がこもってたかな。


ウチは今まで、もらってばっかりでなにもおかあさんにあげられへんのやないかな。


いつだって無償で愛してもらうことを、当たり前やと思ってて。



いろんな気持ちが頭を回る。


あの時どうしてこうせんかったんやろ。


こうしたら良かったんちゃうかな。



後悔ばっかり。



…でも、するんなら昔のことを悔むんじゃなくて。