『みとも!』




…いっこ思い出したら、次から次に。



こぼれる。
あふれだす。



ずっと記憶の奥にあったはずの、なつかしい思い出。




…なにげない、今までの日常が。





『おかえりぃ』



『大丈夫?いちばん先にお風呂入りんか』



『部屋の暖房つけといたで!!』



『今日の晩ご飯はみとものすきな炊き込みご飯やで〜!おかわりは3杯までなっ!!』



『みとも、好きな人できたらおかあさんにも教えてよ〜?』



『みともー、勉強ばっかしとらんでおかあさんとスキンシップタイムせん?』



『おとうさん寝言ほんまうっさいでな!!聞いてかみとも、昨日───』



『…体強ないのに、ひとり暮らしなんかほんまにできんの』



『しんどい時はいつでもそっち、行くからな?お味噌汁とか、作ったるから』



『…向こうで、就職するんやんな』



『たまには帰ってきぃやぁ』



『…みともには、心配かけたないな〜って思って』



『替えっこしようやぁ』



『え〜!!おかあさんやってかわいいの着たいもーん!』