返り道の途中でコンビニに寄って、頼まれたとおり電池をひとつ手に取った。
アイスも買ってかえろかな。
いっちゃんとウチの分。
…いや、あかんあかん。
こういうちょっとした気のゆるみがダイエットをさまたげるねんな。
結局買うたんは単三の電池だけ。
袋はいりません、そのままでええですーて言うて。
はよ帰ろうって。
コンビニ前にとめたチャリにまたがろうとして、片足をあげたときやった。
すぐそばを、ちっちゃい子供が走ってって。
びったーん!!て。
…それはもう、ものごっつ思いっきりこけてん。
「…えっ」
「…っ、……マーマーっ!!」
…今にもだれかにさらわれるんちゃうか〜ゆうくらいの泣き声。
目覚ましよりもすごい威力の。
道行く人がみんな振り返る。
あわててチャリを置いて、助け起こそうと近寄ったとき。
…スッ、って。
ちょうど同時に手が伸びてって。
その手が、子供を抱き起こした。
「あ……」
「すいません、ありがとうございます」
「ままぁ〜っ!!」