「…………」
「就職したらなかなか時間かんたんに合わへんやんか」
…まあ彼氏おらんのもさみしいですけどね〜って、さっぺがおどけたように言う。
アヤちんも、まみんも。
笑ってたけど、くわえてたお菓子口からはなして。
急にしゅんとしたさみしい顔んなって。
「たしかに…こうしてられるんも学生のうちだけやんなぁ」
「もう社会人かぁ…働くんやなぁ、ウチら…」
「人生の夏休みも終わりやなぁ…」
「えっやめてよ!なんか悲しなってくるやんか!!」
…まだまだ続くと思ってた学生時代が、いつの間にか終わりに近づいてる。
ゴールに向かってラストスパートをかけてる。
待って〜て言うヒマもない。
速い速い。あっという間。
1年のとき。
新しい土地に引っ越してって、あー、ウチここで4年間も暮らすんかぁ。
長いなぁ…って思ってたんがウソみたいや。
…大学の4年間って、めっちゃ短い。
「あ〜…やめやめっ!しんみりしたのやめっ!!」
「やめてー!我が家を湿気させんといて〜!!」
「楽しい話しよっ、楽しい話!」