ツーツーツーツー……



「…………」

「……み、みとも?さっき、おかあさんって…」

「…………」



母はいません、て。



…いや、おるやん!!


絶対おかあさんの声やんさっきの!


もっかいリダイヤルしてかけ直す。



プルルル…プルルル…プルルル…



…全っ然つながらへん!!

絶対電話のすぐ近くにおるくせに!


それでも懲りずにしつこくかけ続けた。


後ろではおとうさんがどうしたらええかわからんとオロオロしてる。


多分12回目くらいかけまくった時、やっと電子音がやんで。


やっと、電話がつながった。



「……アンタかけすぎやろ」

「〜おかあさん!!やっぱおるやん出てよっ!!」

「…………」

「……あんなぁ、おとうさんから軽く話は聞いたけど…お願いやから帰ってきて、おとーさんと話したってか。」

「話すことは微塵もない」

「おかあさん……!!」

「……………」

「……………」

「……今、そっちにおんの?」