「おい、大丈夫か?」
ムカつく……。
ムカつきすぎて涙がでてくる。
「大丈夫じゃないし!ばか!」
なんて、助けてくれたんだから偉そうにしちゃいけないのに。
「ほんっと可愛げねぇな」
「は?じゃあ、こなきゃよかったじゃん!あーあ、さっきの人と遊びたかったのに!最悪!」
可愛げないくらい分かってる。
けど、いざ言われるとキツい。
「泣きそうな顔して?」
ッ!……なんなの?!
「だって雷斗かっこいいんだもん!私なんかつりあわない!もーやだぁ」
余計涙がでてくる。
「あのボンッキュッボンの人と私じゃ、大人とガキじゃん。あの人たちの方がお似合いじゃん」
私、何言ってんの。
でも、みんな、由良みたいな大人っぽいセクシーな格好してさ。
「ねぇ〜……」
わっ。セクシーズがきた!
「お前ばっかじゃねぇの?俺、告ったの、お前が初めてなんだけど。しかも何?お似合いだって?ふざけんなよ。あんなケバいの無理だろ。てか、俺が今まで見てきた女で1番可愛いの、お前なんだけど」
マ……マシンガントーク。
「ケバいってうちらのこと?!ムカつくー!行こっ!」
セクシーズに聞こえてたらしい。
「わかった?」
あ、雷斗のこと忘れてた。
「俺、お前……真麻と本気で付き合ってるから」
雷斗……私、雷斗にすっごく迷惑かけた。
「う゛……ふぇっ……ごめ…ん」
また涙がでちゃった。
せっかくの海なのに……。
「雷……斗…ご……めん……ね……ごめ……ん」
「世話がやける姫だこと」
呆れた顔をするけど、どこか優しさを浮かべる雷斗。
「さっ、昼だし腹へったから食いにいくか?」
「うんっ」
私は最高の幸せ者だと思う。