「真麻ぁぁぁ!」

え、また戻ってきた……。

「昼からだった」

馬鹿だ、ほんと馬鹿。

「私も昼から用事ある」

「なら、丁度いいじゃない!上野、悪いわね。車いいわ」

「かしこまりました」

わー、ドラマみたい。

「真麻、一緒に昼食べよ?」

「うん」

時間は、まだ10時。

どうせ、早くいっても暇だし、ゆっくりしてこ。

「私の部屋いこっか」

由良の部屋……散らかったまんまだったと思う。

廊下とか長くて、壁に絵画とか飾ってある。

正真正銘の豪邸。

「座ってて。原田、飲み物おねがい。増田は服の片付けを頼むわ」

由良って、お嬢様だもんね。

美しい……。

「真麻、そんな緊張しないで。リラックスしなさいよ」

「……あ、はい」

リラックスなんてできないし。

可愛い部屋……。

いいなぁ。

私のアパートとは大違い。

まず、比べたらダメだわ。

お嬢様って性格悪いイメージがあるけど、そうでもないみたい。

私が貧乏って知ったら……みんな離れてくかな……。

できるだけ、隠し通そう。