「でね……って真麻きいてる?」
「え?あ、うん」
この家の広さに見惚れてました。
なんて、言えるか!
「聞いてないのバレバレ。さ、今から服だすからアドバイス頼むよ?」
「はぁい」
朝から元気だなぁ……。まだ8時だよ?あり得ない。
「これとこれとこれと………」
……出すもの出すものは可愛いくて高そうなのばっかり!
「あと、これとこれと……」
どんだけあんの…。
「これ!」
終わったらしい……けど、すごい量。
「あとは、大人系のばっかだから」
まだあんの?!
可愛い系って……まぁ、可愛いフリフリのついたもんばっかだけど……。
さすが、お金持ち。
「あ、これとこれなんてどう?」
私が選んだのは、フリフリのついた白のコットンワンピに、薄地のガーデ。
いかにも、清楚な女の子って感じの服。
「それに、これを被って……」
「真麻!あんたショップ店員なれる!絶対なれるよ!」
私が被ってみたらと言ったのは、ピンクのつばが広い帽子。
「無理無理」
「お世辞じゃないのに」
お世辞じゃなくても、無理。
「靴はどうしよ」
私たちは、1かい玄関にもどった。
また、とんでもない数の靴。
「あ……」
手に取ったのは、パンプス。
薄ピンクで、先端に白のリボンがついてる。
「これいいんじゃない?」
「可愛い!」
可愛いって、貴女がなんでも似合うからよ。
「ありがとう!じゃあ、私いくね!帰りは、また上野に送ってもらって!じゃ!」
「えっ、あ………」
マシンガンのように喋って、出ていった。
「真麻様、準備はできましたか?」
「あ、はい」
すごい家だった……。