「………ぃ……ろ!お………き………おい!おきろ!」
「んん………」
どうやら仮眠どころか、爆睡してたらしい。
「帰るぞ」
「ん」
雷斗は毎日のように送ってくれる。
優しいときもあれば、むかつくときもあるけど……。
「ほら」
しゃがんで、私に背をむける。
「え?キークッ」
「いっ何すんだよ。大人しく乗れよ」
あ、おんぶらしい。
蹴っちゃった。
「いやだ」
「乗れ」
「いや」
「乗れっつってんだろ」
「いやっつってんでしょ」
頑固拒否する。
いい年しておんぶなんて………恥ずかしい。
「チッ……じゃ、手」
手を繋げといってくる。
「それならいいよ」
素直じゃない私。
「ねー、雷斗」
「んあ?」
「夏休み、いーっぱい遊ぼうね」
「………おう」
こんな幸せがいつまでも続けばいいのに………。
世の中…、不公平だ。