結局2学期、最初しか出なかったな。
2学期っていったらー……文化祭とか?
あ、でも、鶯譌は3学期にあるって言ってた気がする…。
優秀なだけあって、変わり者だからねー。
なんて、しみじみと思い出しながら、つまらない昼ドラをぼーっと見ていた。
“コンコン”
ん?こんな真っ昼間に誰かきた…?
この病室は個人部屋だから私しかいない。
「はーい?」
「お父さんだよ」
あ、お父さんか。
「ドーゾ」
いつもドアを叩く側だったから不自然。
“ガラッ”
そこには手にケーキの箱をもったお父さんが立っていた。
「あ、ケーキだ」
「あたり」
白い箱の開口には大好きなケーキ屋さんの名前が書いてあるシールが貼ってある。
お父さんは、私のことよく知ってるなって思う。
「食べるか?」
「いくつ買ってきたの?」
「2つ」
「それは…」
「俺と真麻」
やっぱり…。
何気ちゃっかり自分のものまで買ってくるお父さんは子供らしくて可愛いって思ってしまう。
絶対言わないけど。