『おい!お前が蘭王の頭か?』
『あぁ?』
え……?
『なんだぁ?ソイツ。あぁ、噂の愛娘って奴か』
柄の悪い人たちが小さい私と若いお父さんの前を遮るようにたっている。
『はー、銀王か?』
『ふっ、よくわかったな』
『あぁ、汚ねぇチームって有名だからな』
『パパ…』
『真麻、コレで蹴人(シュウト)に電話しろ』
そういって、真っ黒の携帯をこっそり渡し、小さい私を守るように前にたつ。
蹴人とは、蘭王の副総長。
『もしもし、しゅうとさん?』
『あ、まーちゃん?』
『パパが…パパがこわいひととけんかしそうなの!』
『まーちゃん!今どこ?……おい!空真が絡まれた!今すぐ車まわせ!』
私はこんなこと……知らない。
『びょういんのちかくのおっきいこうえんです!』
『分かった!そこから動かないでね!』
“ブチッ”
『はい、パパ』
『サンキュー』
『そろそろヤリてぇわけよ。ラッキーなことに公園あるしよ?』
『はっ、そんだけでか?』
『そんだけ?こっちはざっと100はいんだぞ?勝てるってか?』
『当たり前〜』
時間が……
『嘗めてんじゃねー!』
足りない。