「お母さんだって!そんなの何度も言ったわよ!でもね!所詮お金持ちはお金持ちで世界が違う!どんなことでも……「金」でもみ消すのよ!…お金持ちなんて大っ嫌い!早く行って!雷斗くん、頼むから出て!」

「麻美ぃ!」

どんどん荒れだすお母さん。

雷斗はただ下唇を噛み、口を開かない。

「ハァ…ハァ……ハァハァ……ハァ…」

お母さんの呼吸がおかしい。

「麻美?!…麻美!」

「ハァ…ハァ…ハァハァハァ…ハァ…」

「お母さん?!」

過呼吸になってる……!

「ナースコール!早くナースコールを鳴らせ!」

お父さんの低い声が響く。

「分かってる!」

ナースコールを探さないと!

あ、あった!

すぐさま鳴らし、お母さんに声をかける。

「お母さん!お母さん!お願い!お母さん!」

「ハァ…ハァハァ……ぐっ……ハァ…」

なおらない!早く来て!

お母さんを助けて!