エレベーターに乗り、6階のボタンを押し、「閉」のボタンを押す。

扉がしまったあとも、距離は近いのにずっと無言。

2人の雰囲気はそのままで、すぐ病室の前についた。

私は深く深呼吸をした。

“コンコン”

軽く震える手でドアを叩く。

「はい」

お母さんの鼻声っぽい返事が返ってきた。

泣いたの……かな?

再び唾をのみ、雷斗と繋ぐ力を強めた。

「大丈夫」と言うように。

ドアを叩いた手を、そのまま取っ手にかける。

開けると、そこには目を赤くしたお母さんと、眉を八の字にしたお父さんがいた。

2人とも私たちを見ると、一瞬目を大きく開き、すぐに座りなおした。

今度は雷斗が繋ぐ力を強めた。

「真麻……」

声も震えてる。

やっぱり泣いてたんだね。

多分、私たちも関わっているんだろう。

勇気をだして足を出した。