ドアを開けたらすぐ私たちがいるってなるから道を開けようと、自然に体が動く。

その人を見て謝ろうとした時…

「…く…らはし…くん」

そこにいたのは、制服を来ている倉橋くんだった。

「お前……っ」

倉橋くんも、私を見て驚く。

「あ、蒼空おかえり」

「「「「ちわっス」」」」

翔に続いて、下っぱ(?)くんたちがあいさつをする。

「蒼空さん聞いてくださいよ!こちらの美女、翔さんの女っスよ!」

下っぱくんはそう言って、私を指した。

や……やば…。

倉橋くんは、これでもかってくらい大きく目を開ける。

違うって否定しようとしたけど、

「お前、最低だな」

と、先に倉橋くんに言われて、否定の言葉が喉につまって、結局言えなかった。

倉橋くんは奥のカウンターの方に行き、店員さんに何か注文して座った。

“違う”その一言が言えなかった。

“最低”が胸を締めつける。

「あ〜、ごめんごめん。女なんて嘘だよ。幼なじみ」

そう、翔が否定をしてくれたけど……私の中では、そんなのどうでもよくなっていた。

「なんだ〜。嘘だったんスか〜」

そんなのどうでもいい。

「けど、お似合いに見えますよ〜」

そんなのどうでもいい。

「美人な幼なじみッスね〜」

ソンナノドウデモイイ。

“ガラッ”

「おい、真麻!」

私はまた逃げ出してた。