朝ご飯食べてないから、お腹が凄い空いてる。
「んー、ここから少し距離があるんだ。歩くのめんどくさいからバイクでいい?」
「ぶわぁいくぅぅぅ?!」
翔バイク乗れるの?!
免許持ってんの?!
無免許運転ぅぅー?!
まだ死にたくない!死にたくないー!
「あはは、何考えてんだか知らないけど…俺、族だし免許くらい持ってるよ?」
あ、そうか。族だった。
まだ納得いかないよ。いや、永久に納得いかない。
「ね?俺に命かけてみてよ!」
いやいや、無理無理。
こんなヘンポコリンに命かけてたら、命が何個あっても足りないし。
「じゃあ、強制ね」
そう言って、私の体を持ち上げた。
「うきゃっ?!降ろしてぇー!分かった!乗るからぁー!」
でも遅かった。
言い終わるときには、もう後ろに座っていたから。
「サイッテー!」
翔は私の言葉を無視して、私の頭にヘルメットを被せた。
「ちょーっと聞いてんの?!」
「はいはい」
うわー、ムカつくー。
翔はバイクに跨った。
「出発進行ー!」
“ブォォォォ”
「……ぎゃあー!」
乗り心地は…言うまでもない。