−雷斗Side−
「……き!……にき!……兄貴!」
圭斗が俺を起こしに来たんだろう。
「兄貴!いい加減起きろよ!俺がお袋にキレられんだろうが」
チッ……めんどくせぇ。
「行きゃあいいんだろ」
昨日のことがまだ信じれない。
夢だった、悪夢だったと思いたい。
隣に真麻がいないなんて、考えたくもない。
最愛の人を失うのが、こんなにも苦しくて、こんなにも辛いなんて。
ずっと一緒だと思ってたのに。
逢えない時間さえ愛しくて……。
もう一度、お前と恋愛がしたい。
やり直しでいいから。
「嘘だよ」って、笑って言ってくれよ。
今なら許すから。
頼むよ……戻ってきてくれ。
あの男のとこなんかいくな。
あの男の前で笑うな。泣くな。
俺の前で…もう感情は表してくれないのか?
憂鬱なまま、学校に足を運んだ。