「久しぶりだな」
「久しぶり?」
お父さんと会ったのって初めてだった気がするんだけど。
「あぁ。俺が麻美の見舞いに行ってるとき何回かすれ違ったりしたからな」
そ…なんだ。
全然気づかなかった。
お父さんとしと初めてみたのが、最近の夢だったからかな?
なんか申し訳ないや。
「あ、ずっと立ってるのもなんだし…座るか?」
そう言いながら顎で喫茶店を指す。
「うん」
さっき入ってた喫茶店にもう一度入った。
「元気だったか?」
優しそうに微笑む。
「多分…ね」
今は元気ではないかな?
すると、苦笑いを浮かべた。
「知るために、声かけたんだろう?」
「えぇ」
案外鋭いな、お父さんは。
「あーあ、真麻にも男ができたかー」
今度は切なげな、でも嬉しそうなお父さん。
「覚悟はしてるんだな?」
ここまで言うのならば、かなり深刻なんだろう。
「もちろん」
決めたからにはやる。
それが私の進む道だから。