「私ね、今日が怖かった」

「………」

「今日じゃなくて、1時間前がどうしようもなく苦しかった」

「………」

お母さんが真剣に聞いてくれてるのがわかる。

「たった一言。今の幸せを全部奪っていくのを感じた」

「………」

震えながらも話す。

「周りの声なんてね?もう聞こえなかったんだ」

誰かが私を呼んだ。それは聞こえてた。

ただ、脳は反応しても体は反応しなかった。

無視じゃない。逃げたんだ。

「幸せって思ったら、すぐすりぬけてく」

「真麻…」

「自分が嫌い」

「真麻」

「自分が大っ嫌いなの!」

「真麻!」

すでに私は壊れてた。

これから聞かされる真実が、私をもっと壊した。