「毎度ありー!」

もの凄い笑顔で言う、おじちゃん。

ま、そうだろうね。あの店は雷斗があんなにとれたからって、みんな挑戦しだしたの。

赤字の危機が黒字の喜びに変わったのだから。

「チクショー!破れた」

ふふふ、当たり前よ。

なんたって、私のが破れたんだから。

餓鬼に勝てっこないわよ〜。

「うっしゃー!とれたー!5匹目ゲット〜」

なぬぅ?!

「なぬぅ?!」

私の心と同じセリフを言う、おじちゃん。

餓鬼に負けました。

嘘だぁん。

「お兄ちゃん!俺、ここでやって正解だ!」

5匹目少年が満面の笑みで言う。

「よかったな?」

兄貴みたいな面をする雷斗。

なんだよ、この会話。

裏だしてんじゃないわよ!あほつき!あかまき!もちつき!

こうなったら、おじちゃん応援しないといけない。

「おじちゃん、黒字ファイト」

「……姉ちゃん…!なら、姉ちゃんなら進展だな!姉ちゃん美人だからイケるよ!いや〜、彼氏くんもとびきりイケメンだけどねぇ」

…なぬぅ?!

本日二回目の「なぬぅ?!」でました!

いや〜、素晴らしい。

……じゃなくて、おじちゃん年だよ!そんなこと考えちゃいけない年だよ!

てか、そのトークはおばちゃん風だろ!

「じゃ、行くか?」

苦笑いを浮かべるコイツ。

ばっちり聞こえてたみたい。

おじちゃーん。