−龍輝Side−
俺は、武田龍輝(リュウキ)。
今日も、いつものように変わらず過ごしていた。
どこかに溜まっては、ナンパし、1日を過ごしていた。
ナンパする女は、もちろん可愛い子だが、今日は一段と可愛い子を見つけた。
俺は、すぐさま一緒にいたやつに声をかけた。
『おい、あの女すっげぇ可愛いくね?』
『うわっ、美人〜。って、男持ちじゃねぇか』
男連れなのは分かっていたが、一瞬しか見てなく、気にせず声をかけた。
まさか、その男が俺の大嫌いだった暁とは知らずに。
暁のこと、俺は嫌いじゃなかった。
寧ろ、良い奴だと思っていた。
が、ある日、俺の愛していた彼女をアイツはとった。
最初は信じられなかった。
でも、違った。現実は現実だった。
それは昔の話。
今日、俺は元絡んでたやつに電話をした。
「俺、暁見かけたんだよ!アイツ、彼女いてよー。ムカついたったら、ありゃしねぇ」
「お前まだ根にもってんのかよ?あいつぁ悪くねぇのに」
「あ?悪くねぇ?」
「そうだろ?お前の女がとられたとか、訳分かんねぇ嘘いって。暁からしたら、本当はとったんじゃなくて、勝手に寄ってきただけなのにな」
この電話をするまでは、大嫌い“だった”。