歩いて約3分、やっと見えてた。

うわぁー……悪そうな奴らが溜まってるよ。

絡まれなきゃいいけど。

あ、目があった。

「お姉さん美人だねぇ〜。俺らと遊ばねぇ〜?」

は?何言ってんの?こいつら。

隣にいる男が見えないの?

「無理。彼氏いるから」

もちろん即答。

こんな汚い奴らに誰がついていくかっての。

「あぁ?おっお前、暁じゃねぇか。久々〜」

雷斗の知り合い?

いや、あきらかに嫌そうな顔をしてるから、いい意味での知り合いではないみたい。

「何の用?」

「はっ、言うねぇ。俺を忘れたなんて言わせねぇよ?」

めんどくさー。

忘れてほしくないって、自分の顔みてみなよ。全然かっこよくないよ?

「何、お前。イケメンくんと知り合い的な〜?」

ギャラリーAが知り合いくんの肩に手を回しながら言う。

この人、まぁまぁイケメン。

「忘れられねぇ思い出があってな。暁、お前の彼女さん、俺らにとられねぇようにな。じゃ〜ねぇ、美人ちゃん」

そう言って、バイクに乗り、去っていった。

こいつらの過去に何があったか分からないけど、私まで巻き込まれてるじゃん。

本当、勘弁してほしい。

「チッ、行くぞ」

雷斗は不機嫌になるしさ。

「さっきの人たち、誰?」

「同中出身」

なるほど〜。

頭、カラフルだったなぁ。

「雷斗が通ってた中学って?」

「滝川(タキガワ)」

た、滝川ぁぁ?

滝川って、ここら辺で一番頭がいい中学なんだけど、すっごく高い私立。

あの人が行けるって、どういうこと?

私は貧乏だったから、近くの公立に行ってたから、あんな悪そうな人たち、たくさんいたけど。

「そうなんだ」

雷斗は自分がほしいものを入れた籠を私に差し出してきたから、とろうとしたけど、離してくれなくて、

「入れろ」

と言われたから、さっさと入れた。

そしたら、会計までピューって行って、気づいたときには既に払ってもらっていた。

「あ、お金っ」

「いらない」

あーあ、奢ってもらっちゃった。