私は、拾った貝殻についている砂をきれいに取る。




「そーいや、ガキの頃…俺もよく貝殻拾ったな…」

「…そーなの?」

「うん。親戚の家が、海の近くだったから…遊びに行った時はよく海で貝殻拾ったりして遊んでた。」

「へぇ〜。海の近くが家なんていいなぁ」

「海の近くで旅館やってたんだよ」

「そうなんだ。両親は?仕事なにしてるの?」

「…いや、両親はいない。」


……!



「両親いないって……?」

「ぇ?…ああ、俺の両親二人共、俺が小さい頃から行方不明なんだ。」

「そう‥なの…」

「うん。俺が生まれてすぐ離婚して、俺は母親の妹に引き取られたんだけど…親父と母親は俺預けたまんまずっと行方不明らしい」

!!


「それって……私とほぼ一緒だ‥‥」



私も、母方の親戚に預けられたまんま、母親はいまだに行方不明だもん…





「ね。俺もさっきお前の話聞いてびっくりした…」



慶は、少し枯れた声で言った。