「本命、だから」

「ありがとう。うれしいよ」

「ホント?うれしい///がんばったんだ」

がんばったんだろうなっていうのは、わかる。

「あのさ…」

俺はでも、その努力を断ろうとした。




けど、できなかった。

梨穂が壁の陰から飛び出してきたから。

やべ…この状況、マズイよな…

ていうか、梨穂最初から見てた…。


「結人の…バカ」

梨穂がすれ違いざまにそういうのが聞こえた。


…バカってなんだよ…。


ふと、灰色のコンクリートの上に落ちている白いカードが目についた。