嵐のような輝好の生活はもと通りになった。


これも全て、凛のおかげと言わざるをえなかった。





ありがとな…





輝好は心の中で小さく呟いた…その時。


「輝好ー!!大変だ――!!」


輝好が一人、シリアスな思いにふけっていると、凛が渡り廊下を猛ダッシュし、猪ごとく、輝好に向かって突っ込んだ。


「どうした?」


息を整えることもなく、凛は輝好の胸倉を掴み前後に揺さぶった。


「どうしたもこうしたもねぇよ!!秋覇が家出した!!」


思いがけない凛の言葉に、輝好は絶句した。





なぜ家出…?