「そうかな~?楽そうじゃん!」


ヒソヒソと二人が会話しているうちに、桜井の話は終盤にさしかかっていた。


「・・・では、本日はこれで解散!!校内探検するやつがいたら、5時までには出ろよー」


桜井の声で生徒は次々と立ち上がり、教室から出て行った。


「帰る?」


凛も鞄を持ち、輝好に声をかける。


「いや、校内を見て回る」


「じゃぁ、俺も・・・・・あぁ!!!」


凛は、黒板代わりのホワイトボードの上に飾られた時計を目にすると、驚愕の声をあげた。


「俺、1時からバイト入ってんだ!!やっべ。じゃぁな、輝好。何か面白いもん見つけたら俺にも教えろよ!!」


早口で一気に別れを告げると、凛は一目散にその場から去っていった。


残された輝好が時計を見ると、短針がもうじき1を指そうとしていた。