それぞれが箸を動かす中、西沢が口を開いた。


「ごめんな、鷹須賀」


「何がだ?」


西沢は口に運んでいた箸を止め、弁当を地面に置いた。


「いじめ、受けてんの知ってて見て見ぬフリしてた」


「それが普通だ。気にすることはない」


「でもさ何であの日、西沢君は凛に知らせに行ったの?」


凛から事情を聞いている秋覇が尋ねた。





「俺さ、鷹須賀に憧れてんだ!」





まるで自分の自慢をしているかのように瞳が輝いている。


「頭よくて、何でもできて、それに優しいし!」


「優しい?」


輝好は自分のことなのに疑問をもった。





俺が優しい・・・?





「今だって、『気にしなくていい』って言ってくれただろ?さり気ない優しさじゃん!」


西沢の裏のない言葉に輝好は照れくささを感じた。


決して表には出さなかったが。