ハイレベルな学校はいじめもハイレベルだった。


実に陰湿で、教師なんかには絶対にバレないように工夫する。


輝好は輝好で教師に告げ口など一切しない。


そこにつけ込み、生徒達は大胆な行動を起こす。


ある日の昼休み、輝好は体育館裏に呼び出された。


何が起こるかぐらい、容易に想像がついたが輝好にも一応プライドがある。


このまま無視するわけにはいかなかった。


案の定、指定場所には西園寺を含むいじめ主犯格が、10人程度集まっていた。


輝好と西園寺は向かい合い、お互いの視線を相手に向けた。


「いじめってやつはさ・・・」


西園寺が、妖しい笑みを浮かべ輝好に近づく。


「精神的苦痛はもちろんだが、肉体的苦痛も必要だよな?」


委員長の面影など微塵もない西園寺が、輝好に向かって拳を振りかざした。