クラスの学級委員長である西園寺(さいおんじ)が口を開いた。





「ムカツクんだよ」





西園寺の言葉に、凛が黒板消しを持ったまま振り返る。


「んだと?」


「凛は関係ねぇよ。俺達は鷹須賀相手にやってんだ」


目つきの悪い西園寺が凛を睨む。


「輝好のどこが悪いんだよ」


「たいして頑張りもしてないくせに何でも上位。そんな奴に苦労という言葉が分かるか?俺達は鷹須賀に苦労を思い知らせてやりたいんだ」


何とも自分勝手な言い分に、2人は呆れた。


しかし、他のクラスメイトも同じ意見をもっているようだ。


「ガキくせーことやってんじゃねぇよ」


「やめておけ」


西園寺の胸倉を掴んだ凛に、輝好が制止の声をかけた。


「輝好!?」


「何を言っても無駄だ。放っておけ」


輝好の態度は西園寺の逆鱗に触れた。


「あぁ!勝手にさせてもらうね。覚悟してろよ」





こうして、輝好に対する『いじめ』が1-7で始まった。