長いようで短い夏休みを終えまだまだ日照りが続く中、輝好と凛は登校した。


「おはよー」


凛は暑かろうが寒かろうが年中元気ハツラツだ。


一方輝好は相変わらず低血圧であまり頭が覚めていない。


凛がドアを開けると、クラス中の視線が輝好に集中した。


凛ではなく輝好に。


1学期とは明らかに違うクラスの雰囲気を2人はすぐさま感じ取った。


「何?皆どしたん?」


キョロキョロと不思議そうに凛は辺りを見回すが、誰も目を合わせようとしない。


「あれが原因だな」


輝好は凛の頭を鷲掴みし、ホワイトボードの方へ顔を向けさせた。


「・・・は?何あれ」


凛の笑顔は一瞬で消えた。


いつもなら朝来ると真っ白なホワイトボードだが今日は違っていた。





『かっこつけ。鬱陶しい。ウザイ』





輝好を罵倒する文字が、汚い字で乱雑に書かれていた。


「誰が書いたんだよ!?」


輝好より先に凛が激怒し、黒板消しでそれらを消しにかかった。