秋覇の誘いで輝好と凛は1年間行方をくらましていた秋覇姉、もとい水城美那(みずしろ みな)を訪ねることになった。


「でかっ!!!」


学校を出て30分、電車とバスを乗り継ぎ到着した秋覇の家はまさに豪邸と呼べた。


凛の推定2億円の家にお邪魔すると、秋覇は客間と称される部屋に2人を案内した。


広々とした和室に通された2人は座布団の上に腰を下ろした。


お茶を入れた秋覇が美那と共に姿を現した。





神音・・・





美那はまさしく神音だった。


どこからどう見ても同一人物にしか見えない。


もしかして神音は幽体離脱していて、ひょんなことから意識が戻ったのではないかと輝好は考えた。


だが、数分後にはそんな輝好の憶測も儚く壊されるのであった。


「ごめんなさいね、本当に」


美那は2人に頭を下げた。


「全然大丈夫ですよ!でも何処に行ってたんですか?」


凛が単刀直入に聞いた。


「ずっとイギリスに居たの。初めはアメリカに行く予定だったんだけどね」


「何でアメリカに行かなかったんですか?」


凛が、出された茶菓子を口に放り込んだ。