再び静寂がおとずれる。


輝好はポケットから渡された携帯を取り出した。


神流は恐怖のあまり反応できないでいる。


輝好は液晶画面をそっと見た。





「着信アリ」





輝好はこの文字を見ると、次に起こるであろう出来事を瞬時に理解した。


と同時に神流の悲鳴が周囲に響き渡る。





「きゃああぁぁぁ」





「三上!?」


輝好が振り返るとどこから現れたのか、片目がえぐられた落ち武者と斧が頭に刺さった女性が神流の腕と足を掴んでいる。


「いくらお化け屋敷でもやりすぎだな」


神流の腕と足を掴んでいる手をすばやく解くと、輝好は神流の手を握った。


「走るぞ」


暗闇に目が慣れた輝好は神流を先導し、そばにあった非常出口に神流を押しやった。