薄暗い屋敷の中を2人は道順に従い進んだ。


頼りは輝好が入り口で渡されたロウソクのみ。


実はこのお化け屋敷、看板に書いてあることはあながち嘘ではなかった。


男がさらす醜態に愛想を尽かす彼女が度々出る程。


だがそんなこと輝好はお構いなしだった。


どれくらい経っただろうか。


大規模なお化け屋敷は巨大な迷路にもなっている。


神流は輝好の後ろで作り物のお化けが出るたびに悲鳴を上げる。


「行き止まり・・・」


先程からいくら歩いていても出口につけない。


いや、前に進んでいない気がする。


すると輝好はあることに気がついた。


「ここだ」


輝好は行き止まりの壁を力を込めて押した。


驚くことに、重そうなそれは簡単に開き奥に続く道が。


奥は今まで通ってきた道より、いっそう暗くこれがこのお化け屋敷のクライマックスであることは、誰が見ても分かる。