神音と出会ってから約2ヶ月、やっと事に進展が見られた。


次は神音が思い出しかけている男について調べるのだが、はっきりとした人物像がない限り探しようがない。


輝好はもっと神音が思い出してくれるよう祈りつつ、紀優ランドの入り口で神流を待っていた。


日は日曜日。


若干曇り空であるが、炎天下でないのが輝好にとって嬉しい限りだ。


約束の時間が過ぎたにも関わらず、神流の姿はいっこうに見えない。


視界に入るのは、仲良しファミリーやカップルばかりだった。


10分が過ぎたところで輝好は苛立ち始めた。


完ぺき主義である輝好は時間にうるさい。


30分が過ぎ、とうとう帰ろうとまで考え始めた輝好のもとに慌しくこちらに向かってくる人影が。


片目視力1.5ずつある輝好はそれが神流であることが5秒で分かった。