「そっちへ行くぞ」


はしごを上り、秋覇の隣に輝好は座った。


「お前を探していた」


「俺を?何で?」


輝好は例の写真を取り出し、秋覇に見せた。


「・・・輝好、俺の写真持ってるの?」


からかった言い方を輝好は気にも留めず、ネックレスを指差した。


「このネックレス、誰のだ?」


「俺のだよ?」


秋覇はポケットに入れていたネックレスを取り出し、輝好に渡した。


「これ、本当はペアネックレスでさ、日本であんまり販売されてないんだ。姉さんが雑誌見てるの見て、気に入ったから買った」





ペアネックレス・・・





「水城の姉に恋人はいたか?」


「どうだろ・・・聞いたことないけど」


神音には恋人がいたかもしれない。


真実には程遠い手がかりだが、全くないよりマシだった。


「姉さんのこと、探してくれてるんだ?ありがとう」


「いや・・・」





輝好はなんともいえない気分になった━