翌日、ネックレスについて秋覇に聞くため輝好は秋覇を探した。


教室に居なかったので、ぶらぶら放浪しながら探していると、ふと屋上のことを思い出した。


制服のポケットに手を入れると、そこには確かに秋覇から譲り受けた鍵の感触はある。





すっかり存在を忘れていた





それほど輝好にとってこの2ヶ月は忙しかった。


少なからずとも疲れを感じていた輝好は屋上へと向かった。


鍵を開け外の世界へ出ると、誰かが入ってこないように内側から鍵を閉めた。


入学式の日、ここから見えた桜は緑葉となっている。





これが普通だ





「やぁ、輝好」


あの日と同じように、給水タンクにもたれかかり秋覇が輝好を見下ろしていた。