「大体、輝好は興味をもとうともしてないじゃない。


 輝好と私が初めて会った日、輝好は帰ったけど、次の日にまた来てくれたでしょ?


 それはこの場所に興味があったからじゃないの?


 もし輝好が来なかったら、私の記憶探しも始まらなかった。


 私は輝好に感謝してるよ。


 だから、私は輝好にもっと広い世界を見せてあげたい。


 一度その子と話してみたら?


 見方が変わるかもしれない。

 
 世界が変わるかもしれない」


なぜだか、神音の言葉には説得力があった。


あまり理解できない輝好だったが、促されるまま神流のアドレスを登録した。





なんで俺がこんなことを―





「じゃあ、早速メール打って!」


輝好は神音が言った文章をまるまる打った。


【久しぶり。メール送るの遅くなってごめん。 鷹須賀より】


「…絵文字ぐらい使いなよ」


神音のお小言はスルーし、そのまま送信ボタンを押した。