「うっしゃ―!今日は稼ぎ時だ!輝好!お前も手伝えよ!!」


クラスカラーである赤色のはちまきを額に巻ながら、一段と気合いを入れている凛。


結び終えると、輝好の手にデジカメを渡した。


「とにかく、目立ってるやつを撮りまくれ!あとで売るんだかんな!」


凛の目的は、活躍している人の写真を撮りそれを売買する。


一見、罪のように思えるが、売られた側は人気が上がるので利害一致ということで許可されている。


凛はお金にうるさい。


稼げるときに稼ぐ。


「自分の種目忘れるなよ」


輝好と凛は共に白羽リレーと学年種目である綱引きに出場する。


二つとも午後からなので、それまでは空き時間となる。


秋覇は実行委員なので絶えずグラウンドを走り回っている。


秋覇を捉えると輝好はすかさずカメラのシャッターを切った。





第一種目が始まるピストルの音がグラウンドに響き渡った―