「凛?どうした?」


急に黙った友人に輝好は不審がった。


「あ?いや~・・・何か眠くてさ!あっ、そうそう!!俺、髪の色変えたんだけど!!分かる??」


「当たり前だ」


凛はつい最近まで、明るい金髪だった。


ピアスもあけていて、相当目立っていた。


しかし、今いる凛は髪もそうだがピアスも全て外し、装飾具も一切つけていない。


「どういう心境の変化だ?」


「いやー、流石に私立で金パとアクセはないって」


入学早々、停学・・・いや退学になるのはごめんだ、とはにかんだ。


「あ、そういや俺ら同じクラスだぜ!」


凛のいきなりの登場で、自分の目的を少し忘れていた輝好は残り10組みを探す手間が省けた。


「何組だ?」


「7組!!ラッキーゼブン!!」


とりあえず、自分も7組だと分かった今、ここにいる理由はないので、人の群れから外れ、入学式がとり行われる体育館へ向かった。


凛は足早の輝好の歩調に合わせようとするので、自然と小走りになる。


広大な敷地を移動するのは面倒なもので、配布された地図では近いはずなのに、目的地に着くまで5分もかかった。