神音のアドバイス通りに言うと、秋覇は言いづらそうに口を紡いだ。


輝好の部屋に時間の経過を知らせる音しか聞こえなくなった。


「あのさ・・・」





ガチャ





秋覇が何か言いかけた瞬間、部屋のドアが開いた。


「二人とも、もうご飯だから降りてきて!」


いつも夕食のときは階段の下から声を張り上げる由実だが、秋覇が来ているからか、わざわざ自ら足を運んで知らせに来た。


用件だけ告げると、ドアをパタンと閉めた。


由実の階段を下る音が二人の耳に届く。


いきなりのことで、二人の間に流れていた微妙な空気は一気に取り払われた。


「とりあえず飯食べるか」


輝好が片膝を立てると、秋覇もクスッと笑って立ち上がった。


「そうだね」