4月6日。パリパリの制服を身に纏い、同じ姿をした生徒が一つの門へ吸い込まれていく。


鷹須賀 輝好(たかすが きこう)もまた、その内の一人だった。


無愛想な顔つきだが、大人な雰囲気を漂わせている彼は、とてもこれから入学式に向かう高校一年生には見えない。


色素の薄いシャギーが入った長めの髪。


身長はゆうに180cmあった。


身長に比例した長い足で、スタスタと校門へ向かっていく。


大都会のど真ん中に聳える白亜の建物。


近隣の学校とは比べ物にならない程大きい。


輝好は門を潜り抜ける際、横目で門標を捉えた。


そこには、これから輝好が高校生活の大半を過ごすであろう地の名称が記されていた。





『白羽高等学校』と━━━