ザァーー。
雨が降っている。
「どうしよう…」
家を飛び出したのはいいけど泊まるあてがない。
しゃがみこんでしまった。
「どうしたの?」
顔をあげると高校生が声をかけてくれた。
だらしなく着ている制服。
この制服って多分、風早高校のだ。
たしかここら辺では一番頭が悪い高校だと言われている学校…
先生がよく言ってたな。
「風早高校の生徒みたいになりたくなかったら勉強しろ。」って…。
「「あ…」」
よく顔を見ると昼間ぶつかった人だった。
まさかこんな所でまた会うなんて
「昼ん時の…」
「ごめんなさいっ!!」
私は必死になって謝った。
だってお昼の事怒ってたら怖いもん。
「いや、俺の方こそごめん。急いでて。」
だから大丈夫だよ。と笑顔で言ってくれた。
よかった。
この人悪い人ではなさそう。
「ありがとう。」
私は多分笑顔で言う事が出来た。
「こんなところにいると風邪ひくよ。」
そう言ってその高校生は私の手をひいて歩き始めた。