暫くして着いたのは、港近くの使われていない倉庫。



『この辺には近づくな』



あの人がよく言っていたのを思い出す。



何故だったんだろう…危険だから?



そんな事を考えていると、不意に腕を掴まれ車外に引っ張り出された。



「痛いじゃない!」



「ぼうっとしてるからだ」



掴まれた腕をふりほどくと、また掴まれる…それを何度が繰り返して諦めたあたしは、彼に腕を掴まれたままにしておいた。



大人しくなったあたしは、銀メッシュの彼に連れられ歩く。



倉庫に入ると数台のバイクと、何人かの男達いた。



彼らはみな、"銀メッシュの彼"に頭を下げ挨拶をする。