俺は…その存在すら彼女に知られる事も無いのか。


盗み見てるだけなんてもういやだ。


強くなりてぇ…堂々とアイツ等の前に立てるように。


俺は仁に対抗するようにライズに入った。


それから、精神的にも強くなったと思っていた。


ただイラついていた毎日とは違っていたから。


あやめと並ぶ仁の姿を見ても、イラつかなくなっていた。


あやめを悲しませ苦しませたくはない。


『俺は静かに見守ろう…』


そう、思っていた。


そんなある日、仁は消えた…永遠に。


憎らしい俺の片割れ。


本当は仁に認めてほしかった、肩を並べて笑いたかった。


ただうらやましかっただけなんだ…。


「あやめを頼む」


言われなくても護さ。


心配すんなよ…。